レシピが載ってから時間も経つので、デッキの動かし方と解説について書こうと思います。

今日はデッキの動かし方まで書きます。

=目次=
1.目的・読んで欲しい人

2.デッキ構造とデッキの特徴

3.デッキの強み・弱み・デッキ相性

4.デッキの動かし方

5.デッキレシピ解説


★1.この記事の目的・読んで欲しい人★
・レガシープレイヤー
・赤単(t白)ペインターに興味を持っていて、デッキを組むことを検討している
・すでにペインターを組んだけど、動かし方がわからずに思うように勝てない

偉そうなこと書いてますが、「ペインターを組んだ人に後悔して欲しくない」ってのが目的です。ペインターというアーキタイプの存在は、レガシーをやってる人なら知らない人は少ないと思いますが、デッキの動きまで知ってる人はまだ少ないです。

つまり、「分らん殺し」ができることが、このデッキの魅力の一つになる一方で、デッキの新規参入者(使用者)はとても少なく、デッキの上位入賞率も低めです(値段はレガシーデッキの中では真ん中くらい)。

ただ、自分が知ってる限り、デッキレシピに載ってる人の多くは長い間ペインターを調整している人ばかりで、デッキ自体はレガシー環境でも十分にやっていける力は持っていると思います。

と、いう訳でペインターを組もうと思ってる人や、デッキを組んだばかりの人への足がかりになればと思い、この記事を書きました。


★2.デッキ構造とデッキの特徴★
基本的な動きとかデッキの特徴については既にたくさん記事が書いてあるので、
ここを読めばいいと思います。ペインターというアーキタイプについてはこれ以上言うことはありません。

【引用URL】
晴れる屋~のぶおの部屋(前編)~
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/145
KMC
http://mtgkmc.blog.fc2.com/blog-entry-183.html
エタフェス2015優勝
http://www5f.biglobe.ne.jp/~FDC/EFT15/Winner.html

今の自分のレシピ
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/3640


【大雑把なまとめ】
・「丸砥石」と「絵描きの召使い」によるライブラリーアウトコンボ内臓デッキ
・特殊地形が多い環境での「血染めの月」
・青が多い環境でのメイン「赤霊破・紅蓮破」
・「帝国の徴募兵」によるクリーチャーサーチでコンボパーツへのアクセスも可能
・新チャンドラが強い ←NEW!

この記事では、上記で書いていないデッキ選択理由とプレイングについて書こうと思います(むしろここまではほとんどの人が知っているのでは?)。


★3.デッキの強み・弱み・デッキ相性★
前節で、「どんなデッキか」はある程度分りますが、ではレガシー環境におけるこのデッキはどんな位置づけにいるのでしょうか。組んだはいいけど、何に勝てて何に勝てないか分らないと、デッキを強くする方向を見失ってしまいますよね。

このデッキの体感は以下の感じです(今のチューンではこうしています)。
-----------------------------------------------------------------------
強い(こちら有利)
エルドラージ、マーフォーク

やや強い(若干こちら有利)
UR以外のデルバー、土地単、デス&タックス、奇跡※

五分
BUGカスケード、リアニメイト、奇跡※

やや弱い(若干こちら不利)
エルフ、ジャンド、ANT、スニークショー

弱い(こちら不利)
オムニ入りショーテル、URデルバー

※相手の技量に極端に依存するため。五分~やや強いくらいだと思います。

-----------------------------------------------------------------------

今のレガシー環境では、スニークショーがやや増加気味ですが、それを除くと有利なデッキの方が不利なデッキよりも多いことがこのデッキの追い風となっています。

特に、このデッキのカードは「血染めの月」を筆頭に劇的に刺さるカードが多く、「強い(有利)」デッキには軽く8:2くらいつけてくれる相性差があるので、メタをしっかり読むことで上位入賞が狙えます。

逆に言うと、ペインターが「弱い(不利)」なデッキは逆立ちしても勝てないくらいの相性差があるので、これらのデッキが流行るようだとこのデッキは厳しいです。

非青デッキであること、できること・できないことがはっきりしているので、「全部に勝とう」とはせずに特定のデッキを割り切ってデッキを組むことも大切です。


★4.デッキの動かし方★
今回のメインです。ここからは、デッキを使う側視点での話になります。

まず、このデッキを動かす上での大前提があります。

それは、赤単ペインターは「ブン回りを目指すデッキでないこと」です。

2節でこのデッキの特徴を述べましたが、ペインターを使う側がこれを鵜呑みにすると、勝てません(2節の話はどっちかと言うと、使われる側視点です。)。
  
2節のまとめ項目を1つずつ解説します。
●●「丸砥石」と「絵描きの召使い」によるライブラリーアウトコンボ内臓デッキ●●
「2枚揃えてコンボして勝つ」組み合わせですが狙いすぎると負けます。
理由としては、全部一遍に出すと6マナもかかり、とても準備できないからです。特に、起動に3マナを要しているため、「丸砥石」起動に対応して「絵描きの召使い」に除去を打たれてしまうと、こちらが払った6マナは何の意味もないまま消えてしまいます(自分が6マナかけたところを相手は1マナか2マナで防いでいるのがマイナスです)。レガシーに限らず、mtgにおいて、6マナも無駄にして勝てる訳がありません。

余談ですが「ペインターコンボで勝ちたい!」というのであれば赤青ペインターをおすすめします。直観、Transmute Artifactがある分コンボパーツがすぐ揃い、「ライオンの瞳のダイアモンド」もあるため1ターンキルできる可能性を持つくらい早いです。「Force of Will」も使えるため、コンボ耐性にも優れています。

結論:赤単ペインターではコンボに固執しない
 
●●特殊地形が多い環境での「血染めの月」●●
これも誤解されやすい点です。「1ターン目に月を置く」という固定概念は捨てましょう。最近のレガシーのメタゲームとして、血染めの月自体が強いとは思っていません(当然強いマッチアップはあります)。明らかに刺さるのはエルドラージ、土地単、デルバー位で残りのデッキは「刺さるかもしれない」程度で、
手札次第では乗り越えられます。

「血染めの月」を貼るデッキとしてペインターと比較されがちな、ドラゴンストンピィや赤単スニークの場合、月設置後の仕掛けが早いため、1ターン目に月を置く意味はあるでしょう。ただ、このデッキは隙の大きい6マナコンボになるため、月を置いた後の勝負が長引きます。ですので、リソースを消費してまで月を置く必要がありません(当然1ゲーム目のように相手のデッキが分らない場合は置きにいっても良いでしょう)。血染めの月はサイドアウトの有力カードです。

実際に、2マナランド、「猿人の指導霊」、「血染めの月」が初手にあっても、1ターン目は山から1マナのパーマネントを出す方が安定して強いです。「目くらまし」ケアだけでなく、次のドローで6枚入っている「赤霊破・紅蓮破」をトップする可能性も見ています。また、猿人の指導霊を温存することで、2ターン目
にチャンドラを着地させることもできます。「1ターン目の血染めの月」はこのデッキの今後の可能性を狭める動きになることを理解してもらえればと思います(その上で、1ターン目に月を置くか決めましょう)。

結論:血染めの月にも固執しない

●●青が多い環境でのメイン「赤霊破・紅蓮破」・サーチ可能な「帝国の徴募兵」●●
実はこのデッキの肝だと思います。どこに「赤霊破・紅蓮破」をあてるか、「帝国の徴募兵」で何をサーチするかで勝率が変わります。ちなみに、このデッキでプレイングに一番差がつくとしたら「師範の占い独楽」だと思うので、独楽についても書きます。「赤霊破・紅蓮破」は相手のアーキタイプとの相性を考えて、当てるところ、サーチするところを決めておきましょう。クリーチャーに打つ時(デルバー)もあれば、カウンターに使う時(実物提示教育・Force of Will)もあるし、ペインターからの非青パーマネントを狙い打ちする時もあります。本当に何でもできるカードなので、沢山使って慣れてください。

「帝国の徴募兵」は出すタイミングと、デッキのクリーチャー構成が大事です。
師範の占い独楽でトップのカードを知っている時は、ライブラリをシャッフルする手段としても使えるし、盤面での脅威が無い時(相手の動き次第の時)は、すぐには出さずに他のカードから展開して困った時にサーチすればよいです。  

◆◆師範の占い独楽について◆◆
「師範の占い独楽」は一番差がつきやすく、かつ対戦が終わっても「ミスに気付きにくい(ミスしたと自覚しにくい)」カードです。例えば、1ターン目に出した「師範の占い独楽」を2ターン目に使うかどうかがこれに該当します。

例:初手 山、山、血染めの月、師範の占い独楽、帝国の徴募兵、罠の橋、絵描きの召使い
1ターン目   山から「師範の占い独楽」を出す
2ターン目   アップキープに独楽を使う OR アップキープには独楽を使わずにドロー
      
個人的にはこの場合はどんな相手でも「アップキープには独楽を使わずにドロー」します。理由は2ターン目のアクションを潰したくないからです。この場合、「2マナランド8枚+猿人の指導霊4枚(水蓮の花びら)の12枚」のどれかを引くと、「血染めの月」が出せます(罠の橋、徴募兵ももちろん出せます)。
  
仮に欲しいものが引けなくても、山をセットして「絵描きの召使い」をプレイする保障はできているので、リスクも低いです。都合の良い例を出しましたが、序盤に師範の占い独楽を使う際には、自分の手札から「これが欲しい」「これは欲しくない」をイメージ出来ていれば良いと思います。

また、独楽を2枚以上引いた時の基本テクニックとして、独楽のタップ能力でカードを引いた後にライブラリをシャッフルすることで、2枚目の独楽を別のカードにすることができます(プチ渦まく知識ですね)。  

◆◆師範の占い独楽ネタ◆◆
・起動:スタックを積む順で「①回す(3枚見る)→②タップ」 
 効果:独楽でドローした後に、独楽を含むライブラリ3枚を並び変える
 使用場面:独楽が要らない時(2枚目を引いた時、真髄の針で指定されそうな時)

・起動:師範の占い独楽+丸砥石
 効果:独楽で見た3枚のうち、任意のカードを丸砥石で落とす
 使用場面:ライブラリ3枚が土地の時、特定のカードがどうしても欲しい時(ちなみに、赤いカード2枚を上に積むと独楽で見えた3枚全部落とせます)
    
・起動:師範の占い独楽+反逆の先導者、チャンドラの+1能力
 効果:独楽で見た3枚のうち、任意のカードをチャンドラの+1能力でめくる
 使用場面:チャンドラ着地後の基本動作

・起動:ゴブリンの溶接工+師範の占い独楽 スタックを積む順番は「①独楽タップ→②溶接工タップ」
 効果:1ドロー(独楽がライブラリトップに戻らないのでアドバンテージになります)
 使用場面:2枚揃ったら (独楽の3枚見る能力も合わせて上手に使いましょう)

ちなみにまだまだあります。奇跡デッキよりもシナジーが多いと思うので、独楽を上手く使って柔軟に戦いましょう。

結論:「赤霊破・紅蓮破」「帝国の徴募兵」「師範の占い独楽」を上手く使って有利に進める。

●●新チャンドラが強い●●
ペインターは元々柔軟な戦い方ができるデッキでしたが、カード1枚1枚のパワーがどうしても低くて長期戦になった時に相手に先に回答を引かれて負けていました。「反逆の先導者、チャンドラ」は赤単ペインターにとって必要なカードパワーを持っています。

動かし方としては、チャンドラを長持ちさせるように動かすと良いと思いますが、これも相手によっては除去を打っていって攻撃をチャンドラに向けさせることで、ターンを稼ぐ役割もあります。使い方で語ることはあまりありません。

奇跡デッキのジェイスみたいな役割を担うのがこいつです。ジェイスの無い奇跡デッキを想像したら、チャンドラが加入した影響が大きいことが分かるかと思います。
  
アドバンテージを稼いで勝ちにいくか、クリーチャーを除去して長い勝負にするかを使い分けましょう。

結論:チャンドラ加入により、デッキのカードパワーが高くなり長期戦も有利に進められる。

■■デッキの動かし方 結論まとめ■■
・赤単ペインターではコンボに固執しない
・血染めの月にも固執しない
・「赤霊破・紅蓮破」「帝国の徴募兵」「師範の占い独楽」を上手く使って有利に進める
・チャンドラ加入により、デッキのカードパワーが高くなり長期戦も有利に進められる

赤単ペインターは非青デッキでありながら、安定して柔軟な戦略を取ることができます。もちろん、1ターン目に血染めの月を置いたり、2ターンで相手のライブラリを削ることもできるのですが、それが無くても戦えるのが赤単ペインターの強みです。

デッキの動きやシナジーについては、まだまだ書ききれてないことも沢山ありますが、この辺にしときます(デッキを動かしていたら、何をしたら勝てて、何をされたら負けるかは分かるかなーとも思っているので)。

少しでもペインター使う人が増えて、定期的に大会で結果を残すデッキになって欲しいなと思います。
  
次回はデッキレシピについて解説します。

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